<金口木舌>クジラ見学のルール


社会
<金口木舌>クジラ見学のルール
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 ザトウクジラは「耳あか」で年齢が分かるという。夏は北の海で餌をたくさん食べるが、繁殖期の冬は、ほとんど食べない。栄養状態の変化で耳あかは木の年輪のような層となり、数えると年齢が推定できる

▼ホエールウォッチングの体験会で、沖縄美ら島財団の小林希実主任研究員が教えてくれた。沖縄近海には約1千頭のクジラが回遊し、子育て真っ盛りだ
▼30年ほど前と比べると、子育てのために沖縄に来遊するクジラの数は増えてきているという。1月29日の体験会でも、本部町と伊江島の間の海域で、親子クジラがゆったりと泳いでいた
▼今年から、沖縄北部ホエールウォッチング協会は、船とクジラの距離を100メートルに保つことを決めた。親子の見学は「1時間まで」とする。クジラが子育てをしやすい環境をつくり出そうとしている
▼プロ野球キャンプ目当ての観光客が「クジラも見る」とラジオ番組に投稿していた。冬場の大切な観光資源となっている。北部の事業者らのルールづくりは持続可能な観光に向けた大事な一歩といえよう。