<金口木舌>「バブル」で終わらせないために


社会
<金口木舌>「バブル」で終わらせないために
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 「バブル」の本来の意味は「泡」だが、実体がない見せかけの事象を表現する際にも使う。かつて日本は、不動産や株などの価格が実体からかけ離れて高騰する「バブル期」を経験した

▼22日の日経平均株価はバブル期の水準を上回り史上最高値を付けた。景気のいい話だが、庶民の実感は薄い。物価は上がり続けて生活は厳しいままだ。現在の株価上昇が実体のあるものか疑いたくなる
▼県内では県産ヤギの競り価格が高騰して「ヒージャーバブル」と言われる。ヤギ汁を振る舞う機会が増え需要が拡大したようだ。価格上昇は農家にとって追い風となる一方で、ヤギ料理店は仕入価格の上昇に頭を抱える
▼ヤギ肉は古くから県民に親しまれ、沖縄の伝統食材の一つとなった。農家の経営基盤強化で安定供給ができれば、県民も観光客も笑顔でヤギ料理を楽しめる
▼県産ヤギ価格の高騰が単なる「バブル」で終わってほしくない。泡となって消えてしまわないように行政の後押しも必要だ。沖縄のヤギ料理のさらなる発展に期待を膨らませている。