<金口木舌>ひな祭りに平和を考える


社会
<金口木舌>ひな祭りに平和を考える
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 3月3日はひな祭り。語呂合わせで「耳の日」としても知られ、耳で楽しむことにちなみ「民放ラジオの日」でもある。ひな祭りは平和の象徴であるとして、「平和の日」にもなっている

▼ひな祭りは元来、平安時代にあったおはらいの行事だったとされる。世の中が平和になった江戸時代に庶民に広がり、女性のお祭りとして定着するようになったという
▼この季節になると、保育園の子どもたちが元気にひな祭りの歌を合唱する。ラジオからは、ひな祭りの話題が聞こえてくる。春の訪れを肌で感じ、節句を祝える時代をありがたく思う
▼子どもたちの歌に耳を傾けていると、空から響く米軍機の爆音に邪魔される。ラジオのニュースでは基地建設や国際紛争が話題になる。「戦争」の足音が聞こえてくると、ひな祭りを心から楽しめない
▼平和な世の中だからこそ、季節の変化を楽しみ、子どもたちの成長を喜べる。貴重な時間を戦争に壊されたくはない。ひな祭りの歌を口ずさむ子どもたちが大人になった時、世界がもっと平和であるようにと願う。