<金口木舌>持続可能な観光の在り方


社会
<金口木舌>持続可能な観光の在り方
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 イソップ童話の「アリとキリギリス」は多くの人が一度は耳にしたことがある物語。夏に遊んで暮らしたキリギリスは、懸命に働いたアリと対照的に冬に苦しむことになる

▼この物語の教訓は何か。勤勉であることの大切さを説いた側面がある。将来を見据えて行動すべきだとの意味にも受け取れる。計画的に危機を回避したアリは「持続可能」な生き方をしたと言える
▼コロナ禍が落ち着き、沖縄の観光産業は活気を取り戻した。夏には観光客だけではなく、県民も沖縄の自然を満喫するはずだ。思い切り遊ぶことは悪くないが、観光資源を守ることも忘れないでほしい
▼沖縄振興開発金融公庫の発表によると、環境に配慮した持続可能な観光への関心が高まっている。環境保全や地産地消などを進め、貴重な資源を未来に残すことは今後さらに重要になる
▼消費するだけの観光では行き詰まる。キリギリスのように楽しみながらもアリのように計画的でありたい。観光客も県民も事業者も一緒に取り組めば、沖縄は魅力ある場所として輝き続ける。