<金口木舌>名伯楽への感謝


社会
<金口木舌>名伯楽への感謝
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 1981年の県陸上選手権大会で、ひときわ輝いた中距離選手がいた。十数年ぶりに、女子400メートルで県タイ記録をマーク。同年5月11日付の本紙は「ホープ登場」と紹介した

▼この年8月には「きれいなフォーム、大きなストライド」を武器に県記録も樹立する。大学で長距離へと転向し、全国都道府県女子駅伝に5大会連続出場を果たした
▼後年、高校駅伝界の名伯楽となる大城昭子さん(60)のことだ。「駅伝不毛の地」と言われた沖縄で独自トレーニングを打ち出し、競技力を引き上げた。箱根駅伝ランナーも育成した
▼3月末に母校の北山高で退職する。23日に教え子らが「駅伝」を開催し、大城さんに感謝のたすきリレーをつないだ。最後は、校門から校舎へと続く通称・夢咲坂を生徒と駆け抜けた
▼北山高駅伝部のOBは高校生活の「お母さん」と呼ぶ。厳しくも寄り添う姿を多くの教え子たちが慕う。退職後の目標は「沖縄の長距離界に少しでも貢献する」こと。一区切りの後に新たな夢を咲かせ、県駅伝界を盛り上げることだろう。