<金口木舌>〝ふてほど〟に学ぶ、時代の変化


社会
<金口木舌>〝ふてほど〟に学ぶ、時代の変化
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 TBSドラマ「不適切にもほどがある!」が話題だ。1986年から2024年にタイムスリップした昭和のおじさんが、不適切な発言や行動を繰り返し、令和の人に衝撃と変化を及ぼす

▼せりふにもあったが、昭和はいい意味で「うるさかった時代」でもあった。知らないことは検索できないから人に聞く。無駄話もSNSではなく対面で。今はイヤホン着用で声をかけづらい。外食先で各自スマホとにらめっこという光景も見かける
▼パワハラやセクハラの定義すらなかったあの時代。昭和の人はよく生き抜いた。今はハラスメントの概念が浸透し、働く人の人権が尊重され「顧客ファースト」から「従業員ファースト」に変化している
▼東京のある大手不動産は日曜定休を導入する。顧客優先で土日営業が当たり前の業界で、デジタルを併用し改革に乗り出す。従業員が求める「日曜日を自分や家族の時間に充てたい」に応える側面もある
▼ドラマは今週最終回を迎える。不適切か適切かの価値観のアップデートは、ドラマが終わっても続く。