2024年度が始まる4月を迎える。長引く円安や人手不足で企業は商品やサービスの値上げを継続し、新型コロナウイルス関連ではワクチン接種に自己負担が導入される。高齢者の中には、各種保険料が引き上げられる人も。大企業を中心に賃上げは進んでいるものの、家計への逆風は強くなりそうだ。トラック運転手や医師の残業規制も強化される。
帝国データバンクによると、4月の食品値上げは2806品目。記録的だった前年同月の5404品目からは半減するが、幅広い分野に及ぶ。大手食品メーカーのハムやソーセージは最大4割程度高くなる。サントリーなどはウイスキーを値上げする。
日本郵便はゆうパックの翌日配達を一部地域で縮小する。ヤマト運輸と佐川急便は宅配便の料金を上げる。日銀が3月にマイナス金利政策を解除したことを受け、多くの銀行は普通預金や定期預金の金利を引き上げる。変動型の住宅ローン金利は据え置く金融機関がほとんどだ。
社会保障関連は、新型コロナに感染した際の医療費への公費支援が終了する。無料で打てたワクチンは、65歳以上の高齢者らは自己負担7千円程度となる。対象外の人は原則全額自費。高齢者は年齢や収入に応じて公的医療保険料や介護保険料が引き上げられる。
制度面では、トラックやバス、タクシーなどの自動車運転業、建設業、医師、鹿児島・沖縄両県の製糖業で残業規制が強化される。