【石垣】陸上自衛隊石垣駐屯地は24日早朝、市内の公道を使い、災害物資輸送訓練を実施した。2023年3月16日の駐屯地開設後、公道を使った訓練は初めて。災害により道路が寸断された想定で、隊員約30人が14キロの携行食を入れた背嚢(はいのう)を背負い、武器は所持せず、駐屯地から市中央運動公園屋内練習場に向けて徒歩行進した。
往復約16キロの行程。駐屯地前や歩道では市民が「行軍やめろ」と抗議の声を上げた。日の丸を振り「がんばれ」と応援する市民もいた。
石垣駐屯地は訓練の目的を「災害対処能力の向上を図る」ことと説明している。24日午前6時、迷彩服姿の隊員が列になり駐屯地を出発した。歩道を歩きながら県道87号を南下し、目的地の屋内練習場に向かった。
隊員は帰路も同じルートを引き返し、午前11時10分ごろに駐屯地に着き、訓練を終えた。
今回の訓練を巡っては市内の市民団体「石垣島の平和と自然を守る市民連絡会」が中止を求める声明を発表。市議会野党連絡協議会(7人)も公道使用を批判し「災害訓練の名を借りた軍事訓練としか思えない」と抗議した。
(照屋大哲)