琉球新報朝刊 市民と政治家による街角での政治問答の動画にこんな質問があった。「マイナスからゼロに戻す仕事は賃金が安く、評価されないのはなぜですか」。はて、ゼロに戻す仕事とは。続きを見て合点がいった
▼該当する仕事の一つが高齢者を支える介護職だった。老化による体の衰えや障がいを補い、生活を成り立たせる。生きる営みを基点のゼロと考えると、ふに落ちる。縁の下の力持ちともいえる
▼そんな力持ちが足りなくなると厚生労働省が発表した。2026年度には介護職が約25万人、40年度には約57万人不足すると推計する
▼仕事には社会問題解決型の介護職をはじめ、ゼロを1にする起業型、1を9にする成長企業型など5種類あるという。とはいえ起業型以降の仕事は縁の下がしっかりしてこそ成り立つ
▼質量とも重い仕事なのに介護職は報酬が見合わないまま。いくら力持ちでも気力、体力はなえよう。縁の下の仕事に注力し、評価を上げるには。冒頭の政治家の答えは「一番高い給与にする」。何よりの国民の安全保障では、とふと思った。
