<金口木舌>商業生の熱い夏


<金口木舌>商業生の熱い夏
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 縁あって県高校生徒商業研究発表大会の審査員を務めた。商業高校の生徒が地域の課題を見つけて解決に挑み、取り組み内容を大会で発表する。地域ごとの特色が見え、実に面白い

▼最優秀賞の宮古総合実業は、駆除されるサメを観光資源化することに挑戦している。サメの歯でアクセサリーを作ったり、駆除ツアーを企画したりと、地域の「厄介者」で利益を生むために試行錯誤する

▼名護商工は北部農林と連携し、黒糖の製造過程で出る規格外の加工黒糖を使った商品の開発を進める。南部商業は八重瀬町が「素通り観光」の課題に直面していると分析、地域の魅力を発掘・発信することに取り組む

▼どの高校も学校を飛び出し、地域の企業や団体の協力を得て、仮説設定、実践、検証を行う。一朝一夕ではなしえない、積み重ねの結果が発表に詰まっていた

▼結果発表の時、審査員席から見えたのは、仲間と抱き合って受賞を喜ぶ生徒の姿だ。真剣に取り組んだ分だけ喜びも大きい。甲子園やインターハイなどのスポーツだけでなく、商業生の夏も熱い。