御冠船 (うかんしん)


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 中国皇帝が派遣した冊封使の乗って来る封舟のこと。王冠や王服などの下賜品を乗せてくるところから〈御冠船〉といったが、転じて冊封そのものを意味した。御冠船は頭号船と2号船の2隻からなり、正副使をはじめ500人前後が乗ってきた。夏、南風に乗って来琉、秋から冬にかけて北からの季節風に乗って帰国した。冊封使歓待の宴で披露される芸能(舞踊・組踊)を御冠船踊りと称し、琉球古典芸能の異称ともなっている。

『最新版 沖縄コンパクト事典』2003年3月・琉球新報社発行、2,415円(税込)