御嶽 (うたき)


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 村落の守護神を祀る聖域で、ノロ、ツカサ、カミンチュなどの神女によって豊作や豊漁などの祈願や祭りなどが行われる場所。一般にはウタキ、ウガンと呼ばれ、そのほかに沖縄本島ではグスク、ムイ、宮古ではムトゥ、スク、八重山諸島ではオン、ワーなどとも呼ばれる。ウタキ(御嶽)は、これらの名で呼ばれていた聖地に首里王府によって与えられた名称といわれる。元来、村落を加護する村建ての神、村の人々の遠い祖霊神などが古い村落区分を単位として祀られたとされるもののほか、ニライカナイの神などにゆかりの御嶽とされるものもある。御嶽には、その内奥にイビと呼ばれる最も神聖視された場所があり、神の鎮座、降臨するところといわれる。イビの中は香炉が置かれており、その後方には自然石やクロツグやクバの神木、古墓などがあり、神の宿る場とみなされている。御嶽内の木々を切り倒したり、取ったりすると神罰が下るとされる。

『最新版 沖縄コンパクト事典』2003年3月・琉球新報社発行、2,415円(税込)