巣に侵入してきたヘビに対して、国の天然記念物ヤンバルクイナがひなや卵を守る行動の静止画像が初めて撮影された。
山階鳥類研究所とどうぶつたちの病院沖縄が連携し、施設で飼育され、自然に放されたヤンバルクイナの追跡調査で記録された。環境省のヤンバルクイナ保護増殖事業の一環。山階鳥類研究所が17日までに発表した。
同研究所などは、巣の近くに数分ごとに撮影できる自動カメラを設置した。5月8日未明、体長約1.5メートルのアカマタが巣に侵入した。親のヤンバルクイナがアカマタの上に足指を乗せている様子が撮影されていた。その9分後、ふ化したばかりの3羽のひなが巣の外で確認された。
研究所によると、親のヤンバルクイナが捕食されるのを回避するため何らかの行動をとり、その間にひなが避難した可能性があるという。
調査した同研究所の尾崎清明副所長は「施設で飼育されたヤンバルクイナが、外敵からひなを守るなど自然に適応する姿が確認できた。野外に適応できるよう十分な訓練を実施した成果だと思う」と話した。
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