人工呼吸器の湯地さん 病越え笑顔で入学 級友と地元中学に


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高良小学校から一緒に進学した新1年5組のクラスメートに囲まれる湯地駿羽さん(前列左から2人目)=10日、那覇市の小禄中学校

 全身の筋肉が萎縮する重い病気のため人工呼吸器を必要とする湯地駿羽(ゆじはやと)さん(12)が10日、沖縄県那覇市立小禄中学校に入学した。人工呼吸器を装着する生徒が地元の中学へ進学するのは県内で初めて。真新しい制服に身を包んだ湯地さんは初めは少し緊張した様子だったが、高良小学校で一緒だったクラスメートらに囲まれると満面の笑みを浮かべ、中学校生活の第一歩を踏み出した。

 湯地さんの受け入れで、小禄中は今月初旬、ほぼ全職員を対象とした会議を開き、緊急時や災害時の対応などを確認した。湯地さんの支援に当たる特別支援学級担任の仲本政毅さん(29)は「駿羽君が安心、安全に楽しく学校生活が送れるよう、保護者や先生、子どもたちと連携し良い環境をつくっていきたい」と話した。幼稚園から一緒の平仲司さん(12)は「中学では一緒に勉強を頑張りたい」と意気込み、湯地さんの手をさすった。

 これまで学校生活に付き添ってきた母三代子さん(43)は「新しい環境に不安もあるが楽しみの方が大きいはず」と息子の気持ちを代弁し、「たくさんの友達をつくり、いろんなことに挑戦する3年間にしてほしい」とエールを送った。