【フランス】人の心を「猫」で表現 新城さん国際展に出展


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ル・サロンに出展した新城さんの作品「猫」=パリ市内のグランパレ

 パリ市内のグランパレで、11月22日から12月2日まで開催された第218回フランス芸術アカデミー「ル・サロン」に、新城ゆかりさん(34)の「猫」が出展された。写真審査によって各国から厳選された作品が会場に並ぶが、2002年以降03年を除いて毎年、新城さんの作品が展示されている。

 新城さんは「人の心の姿を猫に例えて、感情や心象風景を描いてみたい」と、2004年ごろからは猫をテーマに取り組んでいる。
 ル・サロンは、ルイ14世統治下で王立絵画・彫刻アカデミー設立のための会員資格審査や教育を目的とした公式展覧会だったが、その後ナポレオン3世が国際展へと発展させた。
 過去にミレ、モネ、ルノワール、ピサロたちも所属。330余年の歴史と伝統を持つ。
 新城さんは、父親が宮古島市(旧平良市)出身で、彼女自身は名古屋市で生まれ育ち、1998年に渡仏。かつてモジリアーニや佐伯祐三などが通った、アカデミー・ドゥ・ラ・グランド・ショミエールに入学。一昨年からエコール・デ・ボザールで学んでいる。
 これまでにも日本、フランスで個展やグループ展の開催、サロンやコンクールに出品するなど精力的に活動している。
 01年にはカンヌとマルセイユで開催された国際展覧会で金賞を受賞、05年にはフォンダシオン・テイラー財団主催の若手アーティストのコンクールで入選している。
(与那嶺佐和子通信員)