【動画】ありのままで寄り添いたい SNSフォロワー10万人の人気シンガー・ソングライター奏絵さん 琉球新報デジタルCMとタイアップ【ロングインタビュー】


【動画】ありのままで寄り添いたい SNSフォロワー10万人の人気シンガー・ソングライター奏絵さん 琉球新報デジタルCMとタイアップ【ロングインタビュー】 新報デジタルとのタイアップをPRする奏絵さん(右)と珠恵さん=8月15日、那覇市泉崎の琉球新報社(喜瀬守昭撮影)
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 9月15日から「琉球新報デジタル」の新CMが始まりました。疾走感あるメロディーに透き通った声が印象的な「裸足のSummer Day! feat.珠恵」をCMソングとして提供してくれたのは沖縄県出身の奏絵(かなえ)さん。沖縄ポップスユニット「いーどぅし」のかーなーとして活動しているシンガー・ソングライターです。

 いーどぅしはYouTubeで発表したカバー曲「海の声」が再生回数347万件を超え、沖縄音楽ダウンロードサイトで年間1位を獲得した大人気ユニット。そして2023年からソロ活動を始めた奏絵さんは「奏絵ー、歌ってー」の投稿でも人気を博し、インスタグラムのフォロワー数が10万人を超える人気のアーティストです

 同世代に大きな影響力を持つインフルエンサーというだけでなく、出産、子育てを機に「沖縄の子どもが笑顔になれるような活動をしていきたいという気持ちが強くなっている」と語るように、まなざしも新たに音楽活動の幅を広げています。琉球新報も今回のデジタルリニューアルで「子育て」や「教育」「暮らしの困りごとに寄り添う」というテーマを掲げていることが接点となり、ともに沖縄に根ざして発信する奏絵さんとのタイアップが実現しました。

 キラキラと挑戦し続ける奏絵さんに、音楽活動や故郷沖縄への思い、琉球新報デジタルとのCMタイアップへの期待について話を伺いました。(熊谷樹)

インタビューに応じる奏絵さん(右)と珠恵さん=8月15日、那覇市泉崎の琉球新報社(喜瀨守昭撮影)

原点は祖父の三線 古典を大切に、新たな沖縄音楽のジャンルを

インタビューに応じる奏絵さん=8月15日、那覇市泉崎の琉球新報社(喜瀨守昭撮影)

 -音楽を始めたきっかけを教えてください。

 父方の祖父が宮古島出身なのですが、親戚が集まったときには三線を弾いて、みんなで踊るような家庭で育ちました。小学校に入学する前に琉球民謡教室に通い始めて、新人賞、優秀賞と賞にも挑戦していきました。18歳の夏に(安冨祖流絃聲会の)西江喜春先生に師事し、琉球古典音楽の世界が始まりました。

 それからずっと古典音楽を学び続け、その延長で県立芸大で、いーどぅしの相方なみなみと出会い、今があるという感じです。

 -県立芸大で古典音楽の研さんを積みながら、ポップな音楽も発表されてきました。なみなみさんとの活動で大切にしていたものは。

 私もなみなみもBEGINさんを聞いて育ったので、BEGINさんが沖縄ポップスというジャンルを築き上げてくれたと思っています。私たちも、新しい沖縄音楽のジャンルというか、民謡とかJポップとか音楽のジャンルにとらわれずに自分たちらしい音楽ができたらいいよねって。そういう話をしながら曲作りをしてきました。

SNSで人気に火がついた「いーどぅし」。コロナ禍の2021年は楽曲制作に打ち込み、BEGINの島袋優プロデュースの新譜「HOPE」を発表した

 -2015年に発表した桐谷健太さんの歌う「海の声」のカバーがYouTube再生回数347万回を超えるなど、SNSで大ブレイクしました。SNSで発信した理由はなんでしょうか

 待っているだけではダメだという思いがありました。SNSのページを一つの舞台として常にこちらから発信して、みなさんの耳と目に届いたらいいなと思っています。

 私たちが朝を過ごす時に、夜を過ごしている人たちがSNSで聞いているかもしれない。そんな遠い国の人にも伝わってほしい。私たちの名前を初めて知ったという新規のファンを獲得する場としても活用しています。

 アーティストさんのカバーだけでなく、その日1日を1分間の曲にして配信したり、作詞作曲した曲もどんどん載せるようにしています。

 -現在でも古典音楽の稽古を毎週継続していると聞きます。

 古典は原点。古典音楽をおろそかにしたら私自身の音楽も変わってくると思っています。年を重ねるにつれて古典を大切にしたいという気持ちが募ってきています。来年、(琉球古典芸能コンクールの)最高賞の受験を控えているので、ほんとに稽古の頑張りどきです。

親子で楽しめる音楽を 母となり変わった視点

 -2020年に横浜DeNAの投手だった飯塚悟史さんと結婚され、息子さんを出産されました。ライフステージの変化で変わったことはありますか

 子どもが生まれてからは日常で曲が生まれるようになってきています。息子の言葉からフレーズが生まれたり、息子がおしゃべりを始めて、その延長線上で「あーあーあーあーあいうえお♩」と作ったり。息子と一緒に曲を作っている感覚でいろいろな曲が生まれてきています。

 毎日家で息子と二人っきりでいろいろ童謡も聴くんですけど、私自身が子どもと一緒に楽しめる曲がほしいと思っていたので、そういう曲を自分で作ればいいんだって思っています。

自身が子どもと過ごす中で生まれた「はじめてのうた」(2023年5月)

-音楽を伝える上でも変わったことはあるのでしょうか

 今までは人の支えになる曲や応援歌という感じで、自分が歌でどうにかしてあげたいという気持ちが強かったです。でも今は寄りそうくらいの気持ちで、みんなの日常のBGMになれたらいいなと思っています。SNSでも何も飾らず、等身大のありのままで発信するようになりましたし、そういう意味で曲も本当にありのままです。

-沖縄に対する思いにも変化はありましたか?

 沖縄の子どもたちが三線を握る機会が増えたらいいなと思うようになりました。(三線の)教師免許も取ったので、子どもたちに三線と触れ合う何かができたらいいなという目標を持っています。

琉球新報デジタルとのタイアップ 明るく楽しい曲で視線引きつけたい

8月にリリースされたソロ活動5作目のシングル「裸足のSummer Day! feat.珠恵」。初の姉妹共演を果たした

 -今回リリースした「裸足のSummer Day! feat.珠恵」は、琉球新報デジタルとのタイアップとなりました。話を聞いたときにはどう思われましたか?

 いやーもう、私たちは新報ホールで(琉球古典芸能コンクールを)受験したり先輩方のステージを見に行ったりしてきたので、「マジか~~」ってすごく喜びました。ほんとにうれしかったです。

 -視聴者にどう感じてほしいですか?

 テレビから流れてくる曲が明るかったり楽しそうな雰囲気だったりすると目がいくと思うんですね。そういう意味でもサビは明るく、「エビバディハイハイハイサイ♩」というキャッチーな沖縄のあいさつも入れたいという思いがありました。その部分がテレビから流れてきて、「なんだこのCMは?」「琉球新報か」ってなってくれるとうれしいです。

 -歌詞や楽曲で琉球新報デジタルとリンクしている部分もあるのでしょうか

 2番のAメロの部分を作るときには琉球新報デジタルのページを開いたケータイを置いて、ここから感じるものを歌詞にしようと思って作りました。そこはみなさんに聞いていただきたいなと思っています。

気になる沖縄の子育て事情 世界の話題からどローカルまでデジタルに期待

 -琉球新報デジタルとのタイアップですが、日頃気になるニュースなどはありますか?

 夫がプロ野球に携わる仕事をしているので、沖縄県出身の野球選手の活躍に関するニュースには目を通しています。先日の台風6号のときには、私たちの地元が3日間停電して連絡がつかなかったので、私もデジタルのほうから情報を得ていました。

 最近読んでステキだなと思ったニュースとしては、大宜味村で親子20人が給食センターのお仕事体験をしたという記事。「こんな大変な思いをして給食を作ってくれていたんだ」などと子どもたちの感想が添えていて、きっとこの子たちは食に対するありがたさに気付くことができたんだなと思いました。子どもがいる身として、親子でいろんな体験ができるのはステキだなと思いました。

 ー今後、どのようなニュースを読みたいと思われますか?

 琉球新報デジタルで全部の分野が見れると思っています。なので世界の話題からどローカルな面まで見れたらうれしいです。

 個人的には、沖縄のネグレクト(育児放棄)やヤングケアラーの問題を知らなきゃならないと思っています。すごく深刻で大人がどうにかしなくてはならない問題だと思っているので、情報を頭に入れながら、私にどういうことができるんだろうと考えるようにしています。

 -母親となり沖縄の未来を担う子どもたちへの思いが強くなっているのでしょうか

 それは本当にもう。子どもを生んでから、沖縄の子どもが笑顔になれるような活動をしていきたいという気持ちが強くなっています。

 -これから挑戦していきたいことを教えてください

 4月から毎月新曲をリリースしているので、そこは変わらず挑戦し続けたいです。沖縄での挑戦としては、親子で笑顔になれる空間を作りたいということがあるので、親子イベントなどできたらと思っています。