朝の通勤時間帯に飲酒運転事故が多いという九州7県警への取材結果を受け、西日本新聞「あなたの特命取材班」は通信アプリLINE(ライン)でつながる「あな特通信員」に、飲酒運転を巡るアンケートを実施した。運転免許を持つ886人の1割超が、飲酒翌日の残り酒を自覚しながら運転したことがあると回答。安易に行われてきた飲酒運転の実態が改めて浮き彫りになった。
アンケートでは飲酒した翌朝にアルコールが体内に残った状態を残り酒として、選択式や記述式で17項目を質問。8月6~13日に953人が答えた。
飲酒の翌日に残り酒を自覚して運転した経験の有無を問うと、運転免許を持っている人のうち113人(12・8%)が「ある」と回答。自由記述で尋ねた理由は「仕事や通勤のため」が最多の32人。次いで23人が「大丈夫だろうと思った」などと認識の甘さを挙げた。「寝たら抜けると思った」という声も複数あった。
配送会社に長年勤めた北九州市小倉北区の男性(64)は十数年前までほぼ毎日、二日酔いの状態で出勤し車を運転していたという。「大丈夫だと思っていたけど、酒で気が大きくなっていただけかもしれない」。福岡県朝倉市の男性会社員(56)は約10年前の経験を振り返り「最寄りのバス停は本数が少なく乗り継ぎも悪い。タクシー代も高額なので運転してしまった」と取材に話した。
体内のアルコールの有無を確かめる検知器については運転免許の保有者のうち、個人で所有していたり、勤務先に配備されていたりしているという人は278人(31・4%)だった。
同県筑後市の男性教諭(45)は取材に、飲酒翌日の運転前には必ず検知器を使うと説明。2006年に福岡市東区の海の中道大橋で起きた3児死亡事故を受け「飲酒運転は絶対に許されないと思った。まずは自分がしないよう徹底したい」と語った。(西日本新聞・笠原和香子、金沢皓介、仲山美葵)
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