prime

「生活上いらない」「監視社会が来るのか」 マイナ保険証に不安、不満 市民の混乱あらわ【1万2000人合同アンケート】


「生活上いらない」「監視社会が来るのか」 マイナ保険証に不安、不満 市民の混乱あらわ【1万2000人合同アンケート】 県保険医協会など6団体が呼びかけた健康保険証廃止に反対する署名活動。マイナ保険証がなくても、交付される資格確認書で保険診療が受けられることもアピールした=8月26日、那覇市久茂地
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

ページ: 1 2 

「保険証残して」8割 廃止まで3カ月…沖縄の利用率は全国最低から続く>> 

 現行の健康保険証の新規発行終了まで3カ月を切った。読者とつながる報道に取り組む全国18の地方紙は、マイナンバーカードに保険証機能を持たせた「マイナ保険証」に関する合同アンケートを実施した。各紙が8月9~18日に通信アプリLINE(ライン)などで呼びかけ、1万2007人が回答した。マイナ保険証への不安や不満の声が多数寄せられ、制度変更に伴う混乱が心配される結果となった。

 県内でもマイナ保険証への批判が目立った。導入に反対する宜野湾市の無職男性(73)は「生活する上で必要性を感じない。政府の説明が不十分」と手厳しい。

 情報漏えいや、政府の国民監視を危ぶむ声も。糸満市の主婦(60)は「マイナカードの使用を必死で進める本当の理由を明らかにしてほしい。将来的に監視社会へ導こうとしているようにしか見えない」。那覇市に住むパート女性(39)も「効率化が図れるとは思うが、何もかも全て情報を政府に把握されるのも少し違う気がする」と導入に反対する。

 豊見城市のパート女性(49)は「子どもの受診時、保険証を忘れてしまったが、マイナカードで受け付けできた」と便利さを認めつつ「マイナカードで全てを管理されている気がする」と選択制を求める。マイナ保険証を使う人でも47・8%は選択制を支持した。

 「現行の保険証をなくし、マイナ保険証に一本化」を支持した人は2割ほど。中城村の会社員男性(54)は「できるだけいろいろな機能を集約し、持ち歩くカードを少なくしたい」。那覇市の会社員男性(47)は「全て統合して合理化してほしい。従来の方法を残すと効率化が進まない」とした。

 アンケートは多様な声を聞き取るのが目的で、無作為抽出の世論調査とは異なる。マイナカードを持たない人は、回答者では35・6%で、実際は25・5%(7月末時点)。回答者の年代は、30代以下が9・8%、40~60代が71・6%、70代以上が18・6%だった。

 (宮沢之祐)

調査を実施した18紙>東奥日報(青森)▽岩手日報▽河北新報(宮城)▽秋田魁新報▽上毛新聞(群馬)▽東京新聞▽神奈川新聞▽新潟日報▽北陸中日新聞(石川)▽福井新聞▽信濃毎日新聞(長野)▽岐阜新聞▽京都新聞▽中国新聞(広島)▽西日本新聞(福岡)▽熊本日日新聞▽南日本新聞(鹿児島)▽琉球新報

制度周知不十分 猶予期間延長を

名古屋大の稲葉一将教授(行政法学)の話 マイナ保険証が基本になる新しい制度の正確な情報の周知が十分ではなく、国民の不安を払拭できていないと感じた。1年前に現行の健康保険証を廃止する法改正が議論されていたときから、あまり傾向が変わっていない。疑問や不安が解消されないまま保険証を廃止していいのかや、猶予期間の延長を、国会は改めて検討していいのではないか。

【関連】マイナ保険証なくても「資格確認書」で受診可能 現保険証は最長1年有効

あなたの声寄せてください

琉球新報「りゅうちゃんねる あなたの疑問に応えます」は、読者からの寄せていただいた疑問を受けて取材します。暮らしの中で感じている身近な疑問をLINE公式アカウントなどを通してお寄せください。