人事担当者の本音は?企業選びの極意は?就活生のリアルな悩みに大人がホンネで回答しました【働き方改革@沖縄(12)】


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新しい元号の決定に、日本中が沸いた4月。
その一方で、進級したばかりの大学4年生は「就職活動」という大きな一歩を踏み出しました。

初めての就活に困惑する学生や、不合格通知に落胆する学生、またその壁を乗り越え邁進する学生、はたまた内定をもらい一安心している学生など、様々な感情が交差する中、就職活動に奮闘しています。
そんな4月。私、福島知加(ふくしまちか)も新たに【働き方改革@沖縄】のメンバーとして執筆させていただきことになりました。
初回は、就活生応援企画として、私のラジオ番組「福島知加の週刊!はたらくニュース」で、「就活生のリアルなお悩み相談」をテーマに、【働き方改革@沖縄】の執筆者でもある小宮 仁至さん、波上こずみさんと3人で様々な視点や事例交えながら就活生の悩みに回答しました。

今回は30名の現役就活生から寄せられたリアルなお悩みの中で最も多かった3つの相談と回答を紹介します。
 

【お悩み相談回答者】

◇回答者プロフィール

①小宮 仁至(こみや ひとし) ファンシップ株式会社 代表取締役
広告会社やWEBマーケティング会社を経て、2015年にファンシップ(株)を創業。2016年より「レンアイ型採用戦略」を提唱し、企業へのセミナーや求職者への採用支援を実施している。1979年生まれ 熊本県出身。うちな〜婿歴10年の2児の父。

②波上こずみ(なみのうえ・こずみ) コズミックコンサルティング代表
子育て・介護と仕事との両立に苦しんだ経験を踏まえ、2016年に起業。「働く人のモチベーションを組織の活力へ!」をテーマに、沖縄の企業や個人を対象としたコンサルティングを手掛けている。1976年、那覇市首里生まれ。1男1女の2児の育児中。

③福島知加(ふくしまちか)ワダチラボ 代表
営業、人事、キャリアコーチの経験を経て2017年に独立。現在は「働く人々のキャリアを豊かにする」を指針に企業や大学生向けにカウンセリング、研修講師を務めている。
自身のラジオ番組では毎週様々な「働く」に関するニュースを深堀り中。
1984年中城村生まれ。1児の母。

お悩み1=行きたい企業が見つからない・・・。何をすればいいですか?

福島:3月、4月はまだ就活がスタートした時期なので、この質問が一番多いですね。大人でも、自分に合う企業とは?と聞かれて、すぐに答えを出せる人の方が少ないと思いますし、変わっていくものでもあると思うんです。なのでキャリアアドバイザーや企業の人事担当者、友人や家族など多くの方とお話をして、内省し、自分の頭の中を言語化していくことから始めてはどうでしょう。例えば、「この会社はいいな~」と感じるだけでなく、「なんで良いと思ったんだろう」とか「この会社の好きな所と嫌いな所は」など、紙に書いて具体的に言語化してみるとか。私自身も、就活生とは就活の話だけでなく、家族や部活、バイト、趣味など本当にいろんな話をしますが、その中で「○○は好き」「○○はやるべき」「○○は絶対に嫌」といった価値観や感情に触れるフレーズが出てきたら、さらに深堀りをするようにしています。

 

小宮:僕は働くことや採用を「レンアイ」に例えることが多いので、今回もすべてレンアイに例えていこうと思います。まず言いたいのは「行きたい会社が見つからない」というのは当然!
「好きなタイプ何ですか?」と聞かれても、その日の気分でコロコロ変わったりしますよね。なので「行きたい企業はどういった会社ですか」の答え探しは一生続きます。レンアイに例えると、「初めてお付き合いした相手と結婚していますか?」ということ。もちろん、そうゆう人もいると思いますが数でいうと圧倒的に少ないですよね。「本当に行きたい企業をみつける=結婚相手を見つける」と力みすぎず、まずは「好きなこと」「嫌いなこと」を軸に考えてみてはいかがでしょうか。特に「嫌いなこと」から考えると見つけやすくなります。

波上:仕事って絶対に楽しい方がいいと思うので、仕事という枠に囚われずに「楽しい」「好き」「なんか良い」みたいな点に注目して欲しいです。例えば、このスマホアプリが面白い、このお洋服が可愛い、このショップの店員さんの接客が好きとか。自分が好き、面白いと思ったコト、モノ、場所を最初の入口にして、会社や働いている人に着目していくと分かりやすく、興味も湧きやすいと思うんです。会社から入るので分かりにくくなっているように感じます。私自身も旅行が好きだったので、旅行代理店に就職をしました。こうゆう感じで自分とリンクさせて考えていくと答えは見つけやすいのではないでしょうか。私も好きなもの、ワクワクすること、嫌いなことなど紙に書きだして自分を見つけるようにしています。
 

お悩み2=人事担当者は自分の会社の良いことしか言わない。リアルを知る為にはどうすれば。

小宮:例えば、合同説明会をレンアイに例えると「合コン」なので、合コン用の顔をお互いしていますよね。企業側も騙そうとか嘘をつきたい訳ではなく、さらけ出して嫌われるのが単純に怖いんです!最近ではインターンシップや単独の説明会を実施する企業も多いので、実際に会社へ行ってみて、移動中にちらっと会社の雰囲気を覗いてみるとか、人事や会社の方と何度もコミュニケーションを取ることが大切です。また、対10人に対してみせる顔と対1人に見せる顔だと、確実に対1人に対して見せる顔の方がより本音に近づくので、1対1がおススメです。
だって、1対1になる前に結婚はできないでしょ(笑)。

波上:私が企業側の皆さんによくアドバイスさせて頂くことは「日常の発信」です。採用を意識した広報も大事ですが、SNS等を活用し働く人や雰囲気、風土など様々な視点で発信することで人事担当者が発信している情報とは違う側面でアプローチできるのかなと思います。

福島:私も人事で新卒採用を行っていた時、何百人、何千人という学生とお会いしていましたが、1回お会いしただけではさすがに覚えられなくて、2回・3回とお会いして、やっとで顔を覚えられるようになりました。人事も人間なので、積極的に質問をしてもらえると素直に嬉しいですし、私も顔見知りの子には会社の最新情報や説明会でお話していない情報をお伝えした記憶があります。また企業側の対策として、人事担当者はもちろん、社長やOB・OG等、様々な人を巻き込みながら発信していけるといいですよね。これは一例ですが、以前、全国で開催した説明会を社長とまわり、社長自ら学生にプレゼンをすることでエントリー率も入社後の定着率もアップすることができました。なかなか社長自ら説明をすることは難しいかもしれませんが、SNSでの発信や企業内説明会で社長室訪問等を実施しても面白かもしれないですね。

お悩み3= 第一希望の会社を落ちてしまいました・・・落ち込んでいます。

波上:私も20社受けて、10社ぐらい連続で落ちて、第一志望がどんどん入れ替わっていく状況の中で、縁あって入社した会社の同期とは今でも繋がっています。なので結局は「縁」だなと思います!落ちた時期は辛いけど、次のご縁に繋がっていくと思うので、気を落とさず頑張ってほしいですね。

福島:辛いですよね。ヨーイドン!で就活がスタートし、不安な中説明会に参加し、準備もままならい状況で面接に行き、結果は、、、。でも、決してあなたを否定している訳でなく、ご縁や相性なので、次のご縁に繋げて欲しいです!私自身も大学生時代、第一希望の業界は20社全滅して、秋採用でようやく決まりました。でもキャリアを振り返ると、この会社に入社して良かったなと心から思えます。また不合格になった企業では外部の研修講師として携わっていたりもするので、世の中何が起こるか分からないものです。過去・現在・未来も自分の考え方や行動で変えることができると思うので、自分がコントロールできる「行動」に集中して、次に繋げていきましょう!

小宮:フラれた後はすごく落ち込むと思うので友人や周りに励ましてもらって、その後はもっと良い人を見つけるしかないですよね。最終的にはあの時フラれて良かった、と思えるぐらいの企業に出会えるまで頑張る!ことです。

まとめ

いかがでしたか。今回は就活生応援企画ということで、就活生のリアルなお悩みに専門家3名の視点でお答えして参りました。
上記の質問以外にも、「服装自由はどこまで自由?」「ネクタイは何色がいい?」など気になるけどなかなか聞けない質問にもラジオではお答えしていますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
就活生の皆さんと新卒採用に奮闘する企業様に素敵なご縁が結ばれますように。

ラジオ「福島知加の週刊!はたらくニュース」はこちらからも聞けます→https://youtu.be/iqZKg17g_kk

◇執筆者プロフィール
福島知加(ふくしまちか)ワダチラボ 代表
https://www.wadachilab.com/

「働く人々のキャリアを豊かにする」をテーマに人材育成、キャリアカウンセリング、女性支援事業を展開し年間で70社、2000人程の支援に携わっている。

またFM那覇で放送中「福島知加の週刊!はたらくニュース」ではオピニオンリーダー、人事、経営者など毎週素敵なゲストをお迎えし働くに関するニュースやテーマを深堀り中。
沖縄県産業振興公社登録専門家。沖縄県観光人材育成マッチングサイト「育人」認定講師。1984年中城村生まれ。1児の母。