琉球新報Style初となる、学生ライターによる連載が始まります。その名も「ロックダウン世代になった就活生のリアル」。
新型コロナウイルスの感染拡大によって、インターンや採用試験もオンラインへ移行するなど、就職活動も今までと大きく様変わりしています。そんな新しい日々を手探りで進む学生の皆さんのリアルな感情や、葛藤などを体験記として記していきます。
こんにちは。学生ライターの渡久地愛です。8月になり、夏真っ盛りですね。海や空が一段と綺麗で、沖縄に生まれてよかったな~としみじみ思う、今日この頃です。
前回の記事では、自分の好きなことをして息抜きしたり、スティーブ・ジョブズの言葉に励まされながら就活を続けているということを書きました。今回は、現在の私の就活状況について書いていきたいと思います。
新卒採用と第二新卒採用の違いって? ロックダウン世代になった就活生のリアル(17)
https://ryukyushimpo.jp/style/article/entry-1341857.html
ようやく出会えた運命の会社!
私は、6月頃から新卒向けサイトと併用して転職サイトも使って就職活動を進めていました。社会人経験のない人が転職サイトを使って仕事を探すのは、的外れかもしれないと思いながらも調べてみると、経験がなくても応募できる求人が予想していたよりもたくさんありました。
私が就活するにあたって譲れない点は、「自分の得意なことや好きに繋がる仕事であること」「その仕事をすることで人や地球に良い影響を与えられること」という2点でした。住む場所や福利厚生などは、こだわってしまえばキリがないので、この2点をクリアしていたら良しとしていました。
そんな中で見つけたある会社の求人。内容は食や農業、地球環境をテーマにコンテンツを作るというもので、「これだ!やっと見つけた!」と、すぐに応募しました。試験をパスし、順調に最終面接へと進んでいきましたが、それと同時に「何か違うかもしれない」という違和感を感じていました。しかし、早く就活を終わらせて働きたいという焦りの気持ちから、その違和感を無視して最終面接に臨みましたが、心の内を見抜かれてしまったようです。結果は不合格でした。
その後、他の会社を受けては落ち、受けては落ちを繰り返して1ヶ月が経ちました。そんな時、何気なくメールの受信箱を開いてみると、ビビッと来たものの不合格だったあの会社から連絡が来ていました。なんだなんだ~!と心をざわつかせながら読んでみると、「系列の会社の新しい部署の職員を募集しているが、応募してみませんか」ということが書かれていました。
仕事内容を聞くと、前回よりもさらに惹かれる仕事内容で、二つ返事で応募しました。最初の面接で人事の方と話していると、会社がやっていることや目指す方向性、仕事内容などが、自分のやりたいことや関心のあることと合致していて、「ここで働きたい!」と強く思うようになりました。
「最終面接は会社で」ということだったので、1年ぶりに飛行機に乗って、馴染みのない街に降り立ち、慣れない靴を履いて、どきどきしながら面接会場へ向かいました。面接中はとても話しやすく、仕事の具体的な内容の説明や、私からの質問に答えて下さりました。しかし、仕事内容はとても魅力的なものだったのですが、一つ不安な点がありました。それは、会社としても初めての部署で先任者がいないにも関わらず、未経験の私を採用して本当に良いのかということでした。その不安に対して「経験者じゃないからこそ、消費者と同じ視点に立って物事を見れるし、これまであなたはいろんな経験をしてきているから、その経験や感性を活かしてほしいと思っています」と答えてくれました。
その言葉で私の不安は一掃され、「ここで頑張りたい!とりあえず飛び込んでみよう!」という気持ちになりました。その後、課題を提出し、晴れて内定通知をいただくこととなりました。
ワクワクの次のステージへ
私は9月から新しい環境で働きます。長かった就活も終わり、社会人になるという実感がないまま引っ越しの準備を進めているところです。「県外で働き出したら、学生の頃と同じように頻繁に沖縄に帰ってこれないな~」と、寂しい気持ちも少しありますが、「これでやっと社会人になれる!次のステージに進める!」と、期待とワクワクも大きいです。
就活が終わった私から、就活生の皆さんに何か言えることがあるとすれば、それは一つ。「就活はいつか必ず終わる」ということです。これは、私が就活中に知人から言われた言葉なのですが、その時は「何じゃそれ!」と思った言葉でもあります(笑)。就活というものは、かなりユニークな経験だと思います。ルールがよく分からないゲームに参加しているような感じで、すぐに勝つ人もいれば、負けて負けて負け続けたけど最後に勝つ人もいる。ゲームに参加したくなければ、最初からやらなければいいし、勝ちたいなら戦い続けて途中で棄権してもいい。勝ったとしても、まだゲームを続けることもできる。でも、忘れてはいけないことは、いつも自分が選べる側にいるということです。
「終わりが見えない」と思いながら、就活を続けることが一番辛いと思います。私もそうでした。だからそんな時は、力まずに「就活はいつか終わる」という言葉を思い出して、少しでも楽になってもらえたら嬉しいです。そんな時に、運命の企業との出会いがあるかもしれません。
さてさて、これまで続けてきた学生ライターも、次回で最後となります。新しい環境で社会人になった私は、何を感じているのでしょうか?全く想像できないけど、そんな人生もいいものです。
就活生の皆さん、よく寝てよく食べ、元気にお過ごしください。また次回、お会いしましょう!
プロフィール
渡久地愛。信州大学人文学部心理学科4年。好きなことは旅、料理、家庭菜園、Netflixを見ること。2年間の休学を経た現在、一周回って人生迷子。有機農家でのボランティアがきっかけで食に目覚め、何を買うか、何を食べるかにこだわりを持つ。最近のプチ自慢は、ハリセンボンと海辺をお散歩したこと。