沖縄コロナ、人口比150人超「欧州並みの流行に」 新規感染は367人、中等症が拡大(8月2日朝)


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新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真(米国立アレルギー感染症研究所提供)

 県内の新型コロナウイルス新規感染者は1日、新たに367人を確認し、日曜日の最多を更新した。県と市町村、経済界、医療界が同日、合同で開いた緊急会合で、県疫学統計・解析委員会の高山義浩医師は「人口10万人当たりの感染者は150人を超え、米国より流行している。欧州が経験した流行並みのことが沖縄で始まろうとしている」と状況を解説した。「中等症の患者1千人に対応できる体制を作らないと、医療崩壊が起きかねない」と指摘した。

 高山氏は中等症の患者について「酸素投与や点滴を受け、入院していないと生命が維持できない人」と説明した。これまでの流行と違い、「第5波」は重症患者の割合は低いものの、中等症は多く「40代、50代が入院しているのが特徴」という。

 中等症患者は現在320人を超え、入院患者は「右肩上がり」の状態だ。高山氏は「今後、中等症の患者だけで500人はいくだろう。中等症1千人に耐えられる医療体制を取らないと、入院、治療を受けられずに亡くなる方が続発する状況になりかねない」と述べ、危機感を訴えた。

 圏域別では那覇、中南部で急速に感染が拡大し、年代別では20~40代で6割、20歳未満が2割と、若年層が多い。性別では男性の感染が女性より多いという。

 職業別では、春ごろまで医療・介護職が多かったが、現在は低下している。高山氏は「ワクチン接種の効果とみられる。接種を職域別で進める価値はあると考える」と分析した。

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