受診予約に電話100回 連休明けに病院パンク状態 出勤・登校は家族もめど立たず


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付箋紙に書き込んだ新型コロナウイルスの協力医療機関に電話をかけ続ける女性=11日午前、本島中部(画像の一部を加工しています)

 新型コロナウイルスの感染が急拡大する中、各医療機関では受診する人が殺到し、予約が取りづらい状況が発生している。会社員の30代女性=本島中部=は風邪のような症状が出たため、県のコールセンターに相談した上で連休明けの11日、医療機関を受診しようと電話をかけた。だが、ほとんどがパンク状態で予約は満杯。約10カ所に100回ほどかけてやっと予約が取れたという。

 「事前に抗原検査を受けないと受診できない」。11日午前、女性は受診できる医療機関を探し、居住する自治体の周辺も含めて電話をかけ続けた。ようやくつながった電話先からは、売り切れで手に入れることが難しい抗原検査を受けることを求められた。

 今月上旬、女性の勤務先の同僚が新型コロナで陽性となり、自身も連休に入ってから頭痛やけん怠感、関節痛の症状が出た。感染者が連日過去最多を更新する中、保健所からは濃厚接触者との連絡はなかった。勤務先からは2週間は出勤しないよう言われ、感染疑いがないわけではないため家族の出勤、登校のめども立たっていない。女性は不安になり「どうしたらいいのか分からなかった」と言う。

 女性が県のコールセンターに相談した際には、医療機関が開く連休明けに電話して受診するよう言われた。紹介された中部地区医師会のウェブ問診を済ませ、そこから提示された協力医療機関をリストアップし電話をかけ続けたが、ほとんどがつながらないか、電話中の音声が流れた。つながっても既に予約が埋まり、翌日に電話をかけ直すよう求められた。

 100回ほど電話をかけてやっと近隣市町村にある医療機関を予約できたが、検査結果が分かるのは13日以降だという。「ただの風邪かもしれないが、コロナか何か分からない中で過ごさないといけない。他にも受診できない人がいるのでは」。女性は不安げに語った。

 オミクロン株は感染力は強い一方で重症化しにくいと言われるが、感染者の急拡大によって県民のあらゆる社会生活にも影を落としている。 

(仲村良太)

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