新型コロナウイルス感染の有無を確認するのに使う医療用抗原検査キットが県内で入手しづらくなっている。本紙が9日、複数の調剤薬局に確認したところ、いずれも在庫はなく、入荷も未定となっている。県は接触者PCR検査や無料化された民間の検査事業の検査能力がすでに逼迫(ひっぱく)していることから、抗原検査キットの活用を呼び掛けているが、そのキットの流通が限られている。県内で多くの「検査難民」が生じていると見られる。
那覇市に店舗のある大手ドラッグストア担当者は、感染者数が伸び始めた昨年末ごろから「在庫が一気になくなった」と話す。チェーン各店も同じ状況だという。行政が抗原検査キットの活用を促していることもあり、「1日当たり電話で5~10件ほど問い合わせがあるが、対応が難しい。バイヤーが探しているが、確保のめどが立っていない」と話した。
別の薬局も「今年の初めには在庫がなくなった。問屋やメーカーも欠品している」と困惑した様子だった。
抗原検査を巡っては検査精度が確認されていない「研究用」キットが一部で流通したことから、厚生労働省は昨年9月、承認した医療機関向けの抗原検査キットを薬局などで販売することを認めた経緯があった。 (知念征尚)
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