中国まで2キロの台湾「金門島」のいま 中国人客を待つ免税店、軍事最前線で進む経済交流<金門島~中台のはざまで>上


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金門大橋から臨む中国・厦門。最短で約2キロと近い距離にある=2022年12月30日、台湾の金門県

 中国の厦門(アモイ)市の目と鼻の先に浮かぶ台湾・金門島。最短で2キロほどしか離れておらず、冷戦期には大陸から幾度も砲弾が撃ち込まれ、台湾防衛を象徴する「最前線」となった。1992年、台湾本島に5年遅れて戒厳令(軍事動員体制)が解除された島では、2000年代になって厦門との往来が始まり、中国との結びつきを強めていく。近年は経済投資や、軍事的な遺産を資源にした観光地化が進む。

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 金門島の面積は約150平方キロ。宮古島と同規模の島に6万人が暮らす。01年に厦門との間で通商、通航、通郵を限定的に認める「小三通」と呼ばれる交流が始まった。

 交流の深まりを象徴する一つが、15年に金門にオープンした、当時アジア最大とうたわれた免税店を併設した五つ星ホテルだ。世界的な高級ブランドのほか日本のドラッグストアチェーンも入居し、新型コロナウイルス禍以前は対岸の中国から多くの観光客が訪れ、商品を買い込んだ。

 コロナ禍直前の19年の金門の入域観光客数は延べ100万人。中国と、台湾本土とで半分ずつの割合を占めた。コロナ禍で中国からの訪問客は途絶え、22年は56万人に落ち込んだが、免税店のスタッフは「この状況が落ち着けば、また(中国から)大勢が来るはずだ」と待ち望む。「台湾有事」の可能性が盛んに喧伝(けんでん)される中、住民は中国との相互交流の活発化を望んでいる。

(當山幸都)

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 2022年12月末、台湾・金門県政府の招待で金門島を訪れた。かつて、中国と台湾が激戦を交わし「最前線」とされた島の今を報告する。

 


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