<金口木舌>幸せな働き方とは


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 ランチのみ3時間半営業、午後5時台に全員退勤、有休完全取得、給料は百貨店並み―。好条件に驚いた

▼1日100食を限定販売するステーキ丼専門店「佰食(ひゃくしょく)屋」(京都市)の中村朱美さんの著書「売上を、減らそう。」が話題だ。脳性まひの長男の出産をきっかけに会社を変えた。大切にしたのは「家族みんなでそろって晩ご飯を食べられること」
▼「佰食屋」では、あらかじめ決めた業務量を時間内でしっかりこなし、最大限の成果を上げる。残りの時間(人生)は好きなように使う。自身が働きたいと思える会社は「従業員が働きやすい会社」と「会社として成り立つ経営」を両立した
▼社員のリフレッシュや離職防止対策などから企業はさまざまな取り組みを始めている。長期間勤めた人に長期休暇を取得させる「サバティカル休暇」もその一つだ。勤続3年ごとに1カ月、中には勤続5年以上で1~6カ月間取得できる企業も。仕事の見直しや休みやすい雰囲気づくりにも効果があるという
▼ことし4月から年次有給休暇の年5日取得が義務化された。日本は世界一有休が取りにくいといわれる。罪悪感なく休める職場の環境や意識の改革も重要だ
▼中村さんは「仕事は本来、人生を豊かにするためにあるもの。仕事だけが人生ではない」と説く。ラフスタイルや人生に合った「幸せな働き方改革」が求められている。