<金口木舌>窮地の芋

 嘉手納町兼久の米軍嘉手納マリーナ内に沖縄戦で破壊され、修繕された墓碑がある。「産業界之恩人野国総管之墓」と書いてある。碑は1922年に建立された。隣には「甘藷(かんしょ)発祥之地」の碑も建っている

▼北谷間切野国村(現在の嘉手納町)出身の野国総管は1605年に中国から甘藷を持ち込んだ。儀間真常が琉球で増やすことに成功し、人々を飢えから救った。芋は薩摩藩を通して全国に広がった
▼サツマイモ基腐(もとぐされ)病が県内の産地で広がり、紅芋でも被害が出ている。茎などを黒く腐らせる病気で、国内では初めて確認された。研究は進んでおらず、県は実態の調査を進めている。菓子メーカーも原料の確保に苦慮している
▼読谷村の農家は「どうしてこんなことになったのか分からない」と戸惑う心境を本紙に語っている。植え付けた苗が4カ月で腐ってしまい、新たに植えた苗も順調に育つめどが立たず、不安を抱える
▼沖縄の芋は菓子を中心に多様に製品化され、代表的な土産品として定着した。県が久米島で害虫のアリモドキゾウムシの根絶に世界で初めて成功するなど、さまざまな困難を乗り越えて現在がある
▼県内では1月に豚熱(CSF)の発生が確認され、第1次産業は相次いで打撃を受けている。県産豚を支援する動きが広がったように、芋を守る県民の知恵も試されている。



関連するニュース







  • お知らせ


  • 琉球新報デジタルサービス



  • 会員制サービス






  • 他のサービス