韓国で未成年を含む複数の女性を脅迫して撮影したわいせつ動画を、SNSのテレグラムで拡散させたとして20代男性が逮捕された。強制わいせつや脅迫、詐欺などの罪に問われている。動画には女性の心身を傷つける残虐行為があったという
▼ハンギョレ新聞によると被害者は少なくとも未成年者16人を含む74人に上る。共犯として13人が摘発されたが、他の共犯者や動画を視聴した人数などは未解明だ
▼厳罰を求める署名運動が韓国で広がっている。文在寅(ムンジェイン)大統領は事件を「人生を破壊する残忍な行為」と批判し、警察による捜査の徹底や被害者支援を約束した。性犯罪の厳罰化に向けた法改正も議論されている
▼日本ではアダルトビデオ(AV)への出演強要などが問題化している。2018年にモデル志望だった当時19歳の女性をAV制作会社に紹介したとして、職業安定法違反容疑で会社役員らが逮捕された。警察庁の統計で18年、出演強要を含む人身取引の摘発数は36件、被害者は25人だった
▼昨年は父親が娘を暴行した事件で無罪判決が言い渡され、性暴力の撲滅を訴えるフラワーデモが広がった。名古屋高裁は一審判決を破棄し、懲役10年を言い渡した
▼政府は4月をAV出演強要などの防止月間と定めている。加害者の大半を占める男性側が主体的に動き、性的搾取を許さない社会をつくる必要がある。