検索の目印となるハッシュタグを付けるなら菅内閣は何内閣か。県内各界で活躍する人に表現してもらった17日付の本紙記事は面白かった。中でも作家オーガニックゆうきさんの「ぱおん内閣」に共感した
▼「ぱおん」とは、ちょっとした悲しさを表現する若者言葉「ぴえん」の派生形で、より悲しみの度合いが強いという。初めて聞く言葉だったが、菅内閣発足を受けた県内の空気を言い当てているように思う
▼若者言葉を知らないおじさんは「田中曽根内閣」を思い出す。1982年、田中角栄氏の後押しで発足した中曽根内閣への皮肉である。今回も「アベノマンマ内閣」という文字を見掛けた。字面だけで意味は分かるはずだ
▼菅内閣から早速、河野太郎沖縄担当相がやってきた。新味はない。安倍内閣の外相、防衛相として来県した。玉城デニー知事との会談で基地問題は出なかった。沖縄相という立場を踏まえてのことなのだろうか
▼その河野沖縄相、基地「ひっくるめ論」なる新語を披露した。「基地のことを考えた上で、いかに経済を発展させていくかというのが非常に重要」という当人の説明は警戒を要したい
▼安保優先、基地温存が前提の振興施策では「リンク論」の派生形に過ぎぬ。コロナウイルスで県経済が弱っている沖縄に「ひっくるめ論」を振りかざすならば、菅内閣はやはり「ぱおん」である。