<金口木舌>アオは藍より出でて


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 アオサンゴを初めて見た時、なぜ外観からはイメージしにくい「アオ」なのか不思議に思った。それが骨格の内部が鮮やかな藍青色なためだと聞いてなるほどと得心した

▼沖縄の海でもよく見るアオウミガメも、姿からは「アオ」という名は思いもつかないが、食用としてなじみがあったからか脂肪が緑色なのが由来だとか。英語名の「緑亀」がしっくりくる
▼緑を青と表現するのは日本独特だろうか。信号機の色も「青信号」と言うが、実際の色は緑のように見える。「なぜ緑色なのに青信号と言うんだろう」と幼い頃から違和感を抱いていた
▼かつて自動信号機が日本で初めて導入された当初は、法律の中でも「緑信号」とされていたそうだ。それが「青」に変わったのは、緑のものでも「青野菜」というように日本語では「青」の示す範囲が広いからだとか、色の三原色が青だから、などとJAFが解説している
▼最近は発光ダイオード(LED)の信号機も増え、それに伴い実際に青色に近づいているようにも見える。沖縄県内の車両用信号機のLED化は90%で全国でも上位だ。西日のまぶしい中、LEDで見やすくなった気がする
▼新型コロナで自転車通勤も増えたそうだ。車道走行が原則だが、自転車道の整備も欠かせない。観光資源にも期待されるだけに環境整備も青信号のように視界良好といけばいいのだが。