<金口木舌>QはQでも何のQ?


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 ウルトラマンシリーズの前身で、1966年に放送された特撮テレビ番組「ウルトラQ」は怪奇ものもあった。特撮映像に加え、おどろおどろしい音楽も印象に残る

▼ウルトラマン世代からすると、象徴的な正義の味方がおらず、逆に怪獣たちにも愛嬌(あいきょう)も感じさせた。おなかにお金をためるカネゴンに、トンネル工事で発見された古代怪獣ゴメスなど
▼今また別の「Q」が話題だ。匿名を意味するアノニマスを付けた「Qアノン」は、11月3日の米大統領選で、トランプ氏を「悪と闘う救世主」とたたえ、極右陰謀論を信じる支持者たちだ
▼2年前の米中間選挙について書いた本欄でも、Qの存在に触れた。以前と違うのは、ネット上でもさまざまなフェイクニュース(偽情報)を流しているとして、フェイスブックなどSNSが関連アカウントの削除に乗り出している
▼前回の大統領選以降、偽情報を検証するファクトチェックに光が当たっている。日本でも本紙のほか毎日新聞なども看板を掲げて推進している。それでも思い込んだ人に改めて考え直してもらうのはなかなか容易ではない
▼世論調査では民主党のバイデン氏が優勢と伝えられる。ただ前回は大方の調査と結果が異なった。今回は郵便投票が多く混乱も予想される。おどろおどろしい中傷でなく、民主主義のクオリティー(Quality)が問われている。