新生児の視力は0・1以下。月齢とともに見える世界が広がり、生後半年を過ぎる頃には親が手にするものに興味を示すという。7カ月になる娘は最近、スマートフォンが気になる様子で、よく画面をのぞき込む
▼子どもがスマホを見ると視力などに悪影響があると言われる。上手に使えば育児にプラスとの意見もある。評価はさまざまだが、今の時代、スマホやパソコンなどデジタル端末は欠かせない
▼文科省のGIGAスクール構想では、小中学生に1人1台デジタル端末の配備を目指す。それが「令和の学びのスタンダード」と掲げる。端末と情報技術の活用で誰一人取り残さない教育を目指すという
▼端末の配備は全国で進み、オンラインの授業も開かれる。しかし対応が追いつかない自治体は県内にもある。地域や家庭環境で学びの格差が生じないよう、きめ細かな支援は不可欠だ
▼県内ではSNSを介した高校生の薬物汚染も深刻だ。興味や関心が間違った方向に進み、スマホなどが身近になることで犯罪に手を染めやすい環境になったようだ。端末がもたらす負の側面からも目を背けてはいけない
▼GIGAスクール構想が成功すれば、子どもたちの視野は広がるはず。その目線の先を正しい場所に向けるのは大人の役割だ。技術が進歩する今だからこそ、これまで以上に子どもたちと向き合う必要がある。