<金口木舌>県産品の輝く未来


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 オリオン座の左肩に位置する恒星ベテルギウスが昨年、急激に輝きを失い爆発するのではと注目を集めた。研究者の調査によると光の減退は一時的なもので、爆発が起きるとしても10万年以上先のようだ

▼沖縄で最近、動向が気になるのはオリオンビール。初の外部登用社長として「第二の創業」の旗振り役を担った早瀬京鋳氏が突如、退任した。理由は「一身上の都合」という
▼2019年の投資ファンド経営参入直後、「オリオンはハゲタカに乗っ取られる」と言われた。利益のみを吸い取られ沖縄には何も残らないと警戒された。一方で、新たな経営陣が前向きな変化を与えるとの見方もあった
▼沖縄の素材を使った商品開発やSNSを活用した宣伝、SDGs(持続可能な開発目標)の取り組みなど、オリオンは多様な戦略を展開した。当初の「ハゲタカ」のイメージとは違う。県内製造業にいい刺激を与える効果も期待できた
▼コロナ禍で酒類業界を取り巻く環境は厳しさを増す。観光やサービス産業に関係する食品製造なども状況は同じ。沖縄の製造業を守るため、今は県民全体で力を合わせる時期でもある
▼7月は県産品奨励月間。沖縄には魅力にあふれ、光り輝く県産品が星の数ほどある。その光を消さないために、身近にある県産品を手に取り、実際に使って良さを実感することから始めてみてもいい。