<金口木舌>未来への「タンカーユーエー」


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 1歳を迎えた子どもが行うのがタンカーユーエー。そろばんや赤飯などを並べて、最初に手に取ったものから将来を占う。親はわが子が何を選ぶのか見守りながら、健やかな成長を願う

▼イタリアの医師マリア・モンテッソーリが提唱した教育法では、やりたいことを子ども自身に選ばせる。自立して責任感がある人に育てることなどが目的だ。子どもの選択と成長を結びつける考えはタンカーユーエーを想起させる
▼絵本「買いものは投票なんだ」は温暖化など世界が抱える問題がテーマ。「地球おじさん」というキャラクターが登場し、日々の買い物で手にする安くて身近な商品と環境破壊などの関係を解説する
▼地球おじさんは表示内容を十分に確認して商品を購入したら、自然や健康を脅かす化学物質を避けられると指摘する。そして「小さな選択が大きな問題につながる」と警鐘を鳴らす
▼平和で安心して暮らせ、美しい自然が残る地球を長い年月、維持するために。一つ一つ課題を解決する必要がある。SDGs(持続可能な開発目標)が注目される昨今、どんな商品を購入するのかじっくりと考えたい
▼タンカーユーエーを終えた子どもたちは未来に向けて歩み出す。将来、大人たちの選択は間違いだったと言われたくはない。より良い地球環境を次世代に引き継ぐため、今を生きる私たちの責任は重い。