<金口木舌>痛みに寄り添う言葉


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 「大嫌い君が嫌い/ボクが嫌いみんな嫌い/死にたくない生きていたくもない/この全てが罰ゲーム」。紅白歌合戦に初出場するミュージシャン「まふまふ」の「罰ゲーム」という曲だ

▼歌だけでなく作詞作曲から多彩な楽器の演奏までを手掛け、ネットで楽曲を発表してきた。5月に「ひきこもりでもLIVEがしたい!」と題して東京ドームからライブを無料配信し、世界で約40万人が同時視聴した
▼公式サイトに「つらいときに聞いて高校に通えた」「生きていけないと思ったけど曲がずっとそばに居てくれた」などの声が寄せられる。痛みに寄り添う歌詞が共感を呼ぶ
▼11月に閣議決定された自殺対策白書で20年の自殺者数は2万1081人。11年ぶりに前年を上回った。女性の自殺が増加したが、「学生・生徒」も過去5年間の平均に比べて増えた
▼コロナ禍で長期間の休校なども影響したはずだ。感染収束は見通せないが少しでも明るい未来を若者に手渡さねばならない。若いミュージシャンの言葉から受け取れるメッセージもあるはずだ。