<金口木舌>「美しい」水素を


社会
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 幼少期、あるなしクイズに熱中していたことがある。「ある」に共通する点を考えて頭をひねった経験のある人も多いのでは

▼それでは一問。グリーン、ブルー、ターコイズ、グレー、イエロー、ブラウン、ホワイト。共通点が分かるだろうか
▼答えは「水素の種類を表す色」。燃やしても二酸化炭素(CO2)を排出しない水素は、クリーンな火力発電の燃料として期待される。それ自体は無色透明だが、製造方法によって色分けされる
▼最も多く生産されているグレー水素は、化石燃料をベースとして作られる過程でCO2が生じる。最もクリーンなのはグリーン水素で、太陽光発電などの再生可能エネルギーによる電力で水を電気分解する。CO2を出さないが、コストが課題
▼今後、社会インフラとしての水素が普及していくと見込まれるが、製造や運搬の過程で大量のCO2を生じてしまえば意義は薄れてしまう。沖縄電力などが環境負荷の少ない製造方法による地産水素などの調査に着手する。沖縄産の鮮やかな、美しい色の水素が増えることを期待したい。