<金口木舌>子どもと考える


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 「ねこがわらう。おなかがいっぱい。やぎがのんびりあるいてる」。絵本「へいわってすてきだね」の一節だ。安里有生さんのこの詩は2013年の沖縄全戦没者追悼式で朗読され、絵本になった

▼日常の大切さを伝える素朴な言葉に説得力があり、平和とは何かを考えさせられる。取っつきづらいテーマも身近な問題にしてくれるのは絵本の力の一つだろう
▼沖縄こどもの国で開かれている絵本展「未来を考える絵本たち」で、この本も展示されている。ロシアのウクライナ侵攻を受けて緊急開催した。出展された20冊はどれも表現はやさしいが読み応えがある
▼沖縄市で「くすぬち平和文化館」を主宰した故・真栄城栄子さんはかつて講演で「子どもは絵を読む」と話した。「絵本からメッセージを受け取るのは子どもの方が得意かもしれない」とも
▼今も市民が暴力に命を脅かされている。やりきれない気持ちを抱えているのは子どもも同じだ。命を救うために何ができるか。すぐには解決法が分からない問題こそ、子どもたちと一緒に考えたい。