<金口木舌>新成人と消費者トラブル


この記事を書いた人 アバター画像 琉球新報社

 北部の経営者らで組織する北部法人会は毎年、無料の社会貢献公開講座を開催している。今年は歴史作家の河合敦さんが「日本資本主義の父」と呼ばれる渋沢栄一について講演した

▼「自分のもうけだけでなく、常に公益を図ることを考えていた」という渋沢。銀行や保険会社など約500社の設立や経営に関わった。事業を通した地方活性化にも力を入れた
▼江戸時代に近江商人が唱えた「売り方よし、買い方よし、世間よし」。売り手や買い手だけでなく、社会的評価も良くなければならないという理念は事業成功の鍵だ
▼だが、買い手をだまして短期的に利益を上げようとするビジネスもある。国民生活センターによると、「簡単に稼げる」などのうたい文句で高額な情報商材を買わされるなど、若者の間でトラブルが増えている
▼4月から成人年齢が20歳から18歳に引き下げられる。今日は「世界消費者権利デー」。消費者教育と同時に、身近な新成人を守るには格言を紹介した方が早いかもしれない。「うまい話にはウラがある」