<金口木舌>学事奨励会と岸本隆一選手


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 「子どもたちは夢見ている」。名護市宇茂佐区の「学事奨励会百周年記念誌」に挿入された詩「ねがい」。同区出身の子どもたちに「山々を越え、綾雲のあがたに羽ばたいていくのだ」と期待を込める

▼宇茂佐区学事奨励会設立は1907年。土地が狭く、農業には向かないことから人材育成に注力することを目的に学事奨励会を立ち上げた。沖縄戦中の一時期を除き、清明祭翌日の行事として区に定着した
▼資金不足だった戦後は、海外移民者や本土の同区出身者から援助を受け、いち早く活動を再開。記念誌では奨励会の歩みや教育界、スポーツ界で活躍する同区出身者を紹介している。琉球ゴールデンキングスの岸本隆一選手もその一人
▼宇茂佐区出身で屋部小、屋部中で学んだ岸本選手。3月20日に沖縄アリーナで開催された大阪エヴェッサ戦で、接戦を制したのは岸本選手の3点弾だった
▼試合後、「不思議な力を今日のゲームで改めて感じた」と応援に感謝した岸本選手。宇茂佐から羽ばたいた若者に区民は誇りを抱き、応援し続けている。