<金口木舌>世界一を目指す超新星


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 鳥山明さんの漫画「ドラゴンボール」。主人公の悟空が出場していた格闘大会「天下一武道会」は、「一番強いのは誰か」と胸が高鳴った

▼1993年。漫画のような格闘イベントが米国で始まった。UFC第1回大会に参加したのはキックボクサー、空手家、プロレスラー、力士、柔術家ら。打撃をかいくぐって空手家の首を締め上げた柔術家が優勝した
▼「一撃必殺の突きが先に当たる」「組んだらレスリングや柔術の方が強い」。総合格闘技が競技として確立した現在、こうした議論はほとんど意味をなさなくなった
▼UFCは今や世界中の超一流の総合格闘家が契約を目指すメジャー団体。その舞台に空手や柔道などの格闘技経験のない、元野球少年が登場した。高校から総合格闘技を始めた那覇市出身の平良達郎選手だ。UFCのダナ・ホワイト代表も「日本の注目株だ」と熱視線を送る
▼22歳の平良選手は、米国人選手を相手に3ラウンドを戦い抜き、立ち技でも寝技でも圧倒し勝利した。無敗のまま快進撃を続ける新星にちむどんどんだ。