国頭村の県道2号では運が良ければヤンバルクイナに出合える。想像していたより俊敏で、一気に道路を横断する姿はやんばるの自然をより身近に感じさせる
▼同時に「右側と左側の森に何の違いがあるのか。横断しなければ事故は起きないのに」と不思議に思ってしまう。県道2号が本格的に整備されたのは日本復帰後のこと。快適になったが、ヤンバルクイナからしたらすみ慣れた森を壊し危険極まりない場所にしたのは人間だ
▼ロードキル(交通事故死)で死んだヤンバルクイナは昨年、27羽に達した。約1500とされる生息数の1・8%。人間に置き換えると決して看過できない数字だ
▼国頭村奥に向かう国道58号でも事故が確認されている。先日の関係機関が参加した連絡会議で、事故発生地点を走行する車両の制限速度超過の問題が指摘された
▼警戒標識や道路への進入を防ぐフェンスも設置されているが事故は後を絶たない。ヤンバルクイナとの出合いに期待してゆっくり車を走らせることが最も有効な事故防止策かもしれない。