＜金口木舌＞大声援が戻る日まで

　運動部時代にさまざまな試合会場に足を運んだ。選手のプレーと同時に印象に残ったのが観客の声援だ。会場が揺れるほどの声が響くこともあり、試合をさらに盛り上げた

▼選手に話を聞くと、一つ一つの言葉が耳に届いていたという。大声援の中で自らの背中を押す声に気づき、試合に向かうエネルギーに変えていたようだ。声援の持つ力を実感した
▼コロナ禍でスポーツの現場から声援が消えた。感染防止のため無観客で実施した試合もある。観客を入れた場合でも声を出した応援は禁止だ。静かな環境下の試合はどこか物足りない
▼先日、プロサッカーの試合で声出し応援を一部解禁した。今後、検証を重ねて制限を緩和する方針という。海外では大リーグなどの試合で声援が響く。大声で応援できる日常を早く取り戻したいと、日本の選手やファンも願っている
▼夏場は高校野球や高校総体など学生スポーツが盛んだ。大声でエールを送りたいが、もう少し我慢が必要だろう。感染対策を徹底した先に、大歓声が必ず戻ると信じている。