<金口木舌>泡盛菌の家系図

 技術の進歩に驚くことは多いが、改めて「経験知」に感嘆することがある。それはむしろ、技術の進歩を通して突然訪れたりもする

▼食品分析などを手掛けるうるま市のバイオジェットと酒類総合研究所の共同研究で、泡盛製造に不可欠な黒麹菌の「家系図」ができた。ゲノム解析を用いた結果、黒麹菌は「A」「SK」「OLD」の3グループに大別され、同グループ内の株の遺伝子の違いの度合いも図式化された
▼酒造所は異なる2種の黒麹菌を混ぜて泡盛を造ってきたが、この2種は常にAグループとSKグループから1種ずつ選択してきたことが体系的に確認されたそうだ
▼遺伝子解析技術など存在しない何百年も前から、職人たちは異なるグループの黒麹菌をどう選別してきたのか。苛烈な沖縄戦で黒麹菌がほぼ途絶えた歴史も乗り越えた泡盛文化の深さをかみしめる
▼「家系図」を活用すれば、株の選択を効率化でき、泡盛の風味や製造速度などの調整に役立つ可能性があるという。経験知と最新技術が融合した「未来の泡盛」に胸が躍る。



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