<金口木舌>夏の暑さの危険性


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 自動車教習所に通っていた時、教官が車を「鉄の塊」と表現した。車は有益な道具だが、その構造上、巨大な凶器にもなると訴えた。鉄は熱を伝えやすいため、時には車内の人も危険にさらす

▼日本自動車連盟(JAF)の実験では、夏場に車のエアコンを止めると、わずか15分で暑さの指数が危険レベルに達した。体温調節機能が未発達の乳児は死に至るケースもある
▼車内温度上昇の危険性は以前から指摘され、注意を呼び掛ける広報も増えた。しかし、車内で子どもが熱中症になるリスクを感じた親が4割いるとの調査結果もある。今後も周知の徹底が必要だ
▼今年は全国的に梅雨明けが早く、県内でも30度を超える真夏日が続く。密閉された車内は想像を超える暑さになるだろう。体が高温に慣れていないこの時期、熱中症で搬送される人も急増する
▼車内に子どもを残さないのは当然のこと。夏場はこまめな水分補給など熱中症対策が欠かせない。日差しは生活にプラスの効果ももたらすが、多くの危険が潜むことを忘れないでほしい。