<金口木舌>平和と豊かさ、誰に託す


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 給油ランプの点滅に気が付き、久しぶりにセルフではないガソリンスタンドに入り、レシートを見てため息が出た。レギュラーガソリンの県内平均小売り価格は7月に過去最高の184円50銭を記録し、全国でも一、二を争う高値が続いている

▼食料品や外食、日用品なども多くが値上がりし、電気代も高止まりが続く。全国消費者物価指数の上昇率は年内に3%に達する可能性があり、増税の影響を除くと1991年以来の高水準で、輸送費のかさむ離島県沖縄ではより一層深刻だ
▼一方で経済はコロナ禍からの回復が遅れ、物価高と景気停滞が同時に起こるスタグフレーションの様相を呈している
▼企業の利益が確保されなければ、働く人の収入が減り悪循環に陥る。頭では値上げの必要性を理解できても、収入は横ばいで支払いだけ増えていくのは不安が募る
▼個人や企業の努力では解決できない問題だからこそ、政治がその役割を果たす時だろう。今日、知事選が告示される。平和で豊かな沖縄という願いを誰に託すのか、しっかり考えたい。