<金口木舌>トックリキワタと世界のウチナーンチュ


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 命をつなぐリレーは人や動物だけではない。名護市旭川の長嶺宗勇さん(70)の自宅の庭先にある樹高十数メートルのトックリキワタの「里親」が見つかった

▼「この木もらいませんか」と引き取り手を探す記事を本紙で掲載すると、複数から問い合わせがあった。最終的にかねひで喜瀬カントリークラブが引き取ることになった
▼トックリキワタは55年ほど前に長嶺さんのおじがブラジルから種を持ち帰り、苗を植え育てた。高齢で手入れが難しくなった長嶺さんは「県内のトックリキワタの中でも最も古いはずだ」と目を細める
▼金秀グループ(呉屋守将会長)が運営する喜瀬カントリークラブは昨年、開業20年を迎えた。世界のウチナーンチュ同士の経済連携を図るWUBで顧問を務める呉屋さんは「世界に広がるウチナーンチュの尊厳ある繁栄を」と講演したことも
▼長嶺さんはトックリキワタの移転が決まったことに「広い土地で花を咲かせてほしい」と期待を込めた。世界に根を張るウチナーンチュのように新天地でも花を咲かせるに違いない。