8月の3週間、米国に滞在した。物価高に加えて円安は旅行者につらかった。お手頃価格の飲食店でもハンバーガーとポテトで11ドル。当時の為替レート(1ドル=135円)で換算すると1485円だ
▼米国人に聞くと、スーパーの商品も1・5~2倍ほどに値上がりしているという。帰国後、米国と比較して「日本は安い」とほっとしたが、そうは言っていられないかもしれない
▼米国の物価高は私たちの生活にも関係している。米国の消費者物価指数が高止まりしている影響で14日には円が急落し、一時1ドル=145円に迫った
▼資源が乏しく輸入に頼る日本にとって円安は致命的だ。日銀が発表した8月の企業物価指数は前年同月に比べ9%上昇し、過去最高を更新した。資源や原材料価格の高騰に加え、円安が価格を押し上げた
▼連日値上げが伝えられるが、本格的な物価高はきっとこれから。節約するが、個人の努力だけでは限界がある。21、22日に日銀の金融政策決定会合が開かれる。国民生活がこれ以上苦しくならないような政策を求めたい。