<金口木舌>米大量解雇、対岸の火事ではない


社会
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 「お前はクビ(You’re fired!)」。上司から解雇を告げられ、肩を落とし段ボールに私物をまとめて会社を去る。アメリカの映画やドラマで何度か目にした場面だが、いつも疑問だった。そんな簡単に解雇できるものなのか

▼国が違えば法律や社会通念などが異なるのは当然だが、それにしてもフィクションを上回るような昨今のアメリカの大規模な人員削減には驚かされる
▼メタ(旧フェイスブック)が1万1千人以上を、アマゾン・コムも1万人程度を削減すると発表した。ツイッターを買収したイーロン・マスク氏は従業員の約半分を解雇すると明らかにした
▼景気の減速を受けてコストを抑えるためと伝えられる。短期的に財務状況を改善するための経営上の判断だろうが、社会の安定が損なわれないか懸念される
▼サービスの質が下がらないかも心配だ。ツイッターは偽ニュース対策など投稿内容の管理をする人材が不足することで中傷などが増える恐れが指摘されている。日本、沖縄に暮らす私たちにとっても対岸の火事ではない。