<金口木舌>地球からのクリスマスプレゼント


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 今日はクリスマス。子どもたちの元にはサンタクロースはやって来ただろうか。この時期、慶良間の人たちにはもう一つ心待ちにしているものがある。ザトウクジラだ

▼毎年12月末から4月にかけて、繁殖や子育てのため慶良間海域を訪れる。十数年前、クリスマスにクジラが初確認されたことがあった。「地球からのクリスマスプレゼント」。その時の島の人の言葉をこの時期になると思い出す
▼今やホエールウオッチングのスポットとして定着した慶良間海域はかつて捕鯨の漁場だった。一度はこの海から姿を消したクジラが目撃されるようになったのは1985年のこと
▼座間味村はホエールウオッチング協会を組織して自主ルールを設け、クジラに優しいホエールウオッチングを続けている。何度も慶良間に戻ってきているクジラもいる
▼クジラに優しい海だから高確率でクジラに会える。それが島の観光活性化にもつながる。地球からの最大のプレゼントはこの美しい自然。この先もずっと、クジラたちに「おかえり」と言える海を守りたい。