<金口木舌>若者が描く未来と新たな公共交通


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 「名護駅ができたらどうなるか」。名護高1年生が総合学習・地域探究の「街づくりを考える」授業で、鉄軌道が導入されることを想定し、自分たちが考える未来の街を発表した

▼21世紀の森ビーチや名護城など風光明媚(めいび)な街の魅力を残しつつ、遊園地や商業施設など若者も楽しめる場所にしたい―。生徒は未来のまちづくりに目を輝かせた
▼北部観光の課題の一つは距離。名護は那覇から約70キロ離れており、渋滞に巻き込まれると2時間かかることも。中南部の交通渋滞は大都市圏並みで、経済損失は1キロ当たり年間1億1500万円に上るとの試算もある
▼「渋滞解消や環境負荷軽減、入域観光客数増加を可能にする」。沖縄国際大学の宮城和宏教授は鉄軌道に加え、LRT(次世代型路面電車)など公共交通システムへの投資が生産性向上につながると指摘する
▼1863年1月10日、ロンドンで世界初の地下鉄の運用が始まり、人々の生活は格段に豊かになった。若者たちが描く、新たな公共交通の先に広がる名護の未来に期待が膨らむ。