<金口木舌>スター選手たちの背中


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 3月開催のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本代表に選ばれた30人のうち3人を県出身者が占めた。高校野球で沖縄が「弱小」と言われたことを思えば、隔世の感がする

▼もう一つ勇気付けられるのは彼らの人柄。宜野湾市出身のオリックス宮城大弥投手は生活が苦しい少年時代を送った。使っていたグラブは700円。苦しい中でも野球を続けさせた父と努力を重ね、プロになった
▼宮城投手は基金を設立し、同じ境遇の野球少年・少女を支援する。西武の山川穂高選手も首里城が焼失した時、出身の那覇市に再建資金の500万円を寄付した
▼先日、中日に1位入団した仲地礼亜投手が母校の読谷村立古堅南小で講演した。仲地選手は少年たちとキャッチボールし、重圧を超えて夢をかなえるアドバイスをしていた。終始、優しい語り口だった
▼ファンやメディアに追いかけられる日々。常人ならてんぐにもなってしまいそうだが、選手たちの精神力と使命感を感じる。後進を支え、故郷を思い行動する彼らは本物の憧れの存在だ。